“日本で暮らしているネパール人は、口をそろえて「日本の紅茶は(値段に関係なく)どれも美味しくない」、「なぜ日本人はこんな不味い紅茶を高いお金を払って買うのか」、「日本の人は紅茶の味を知らない」と言っています。
その理由は、ダージリンの紅茶はすべてコルカタ(旧名・カルカッタ)に集められイギリスに送られ、日本で売られている紅茶は、そのすべてがイギリスから輸入されている古い紅茶だからです。
お米についていえば、新米が美味しいということは誰もが知っています。
お米に限らず野菜にしろ、 果物にしろ、魚にしろ、新鮮なものが美味しいことは当たり前のことです。
緑茶も新茶が美味しいことはこれまた誰もが知っていることです。
それなのに紅茶はなぜ産地からの輸入でなく、わざわざ日本より遠いイギリスまで海上輸送され、値段を上げるためとしか考えられない紅茶の『味』と関係ない見かけの豪華な包装が施され日本に輸出されるのでしょうか。
一般的に言われるように「日本の紅茶が美味しくない」のは当たり前なのです。
『紅茶資本』は、自分たちの利益のために紅茶をわざわざ不味くしているのです。
しかし残念なことに、ほとんどの日本人はこのことを知っていません。
”(倉内司郎『紅茶の豆知識』より)
※倉内司郎氏は大阪在住の紅茶スペシャリスト 180 回近いネパール渡航歴を持つ。